- AirTagを子供見守り用途でレビュー
- AirTagでは不安だったポイント
- 実際に使っている見守り端末
1人で帰って来れるかな? 誰かに連れて行かれていないかな?
探し物を見つけるタグとして有名な、AppleのAirTag(エアタグ)を見守り端末として使ってみた結果、想像以上に心配がありました。
知らずにAirTagを購入するとガッカリします。
- 結論
- AirTagは更新頻度と通知の問題で、見守り端末としてはとても使えません。
探し物探知や非常時用としては優秀です。
我が家は信頼性が高く、1年無料のあんしんウォッチャーにしました。
仕事中に、帰宅の時間を忘れられるアイテムです。
急な「今日公園の約束してきた!」にも同行不要になります。
見守り端末としてottaやAirTagとも比較しました。
AirTagを使おうかなと思っていた方は、メリット・デメリットを踏まえつつ、適している端末を使って子供を見守りましょう。
iPadを手帳化して趣味に没頭できるタスクツールを公開しました。
AirTagってなに?
Bluetoothで場所がわかる目印
AirTagはGPSを搭載しているわけではありません。
あなたのAirTagは、近くにある「探す」ネットワーク上のデバイスが検知できるように、安全なBluetooth信号を送信します。すると、信号を受け取ったデバイスは、AirTagの位置情報をiCloudに送信。あなたは「探す」アプリを開いてマップ上で確認できるというわけです。このプロセスは完全に匿名で行われ、情報は暗号化されるので、あなたのプライバシーは守られたまま。効率も良いので、バッテリー残量やデータ使用量を心配する必要はありません。
引用:Apple公式
要するに、周囲のApple端末が、匿名でAirTagの居場所を教えてくれる仕組みになっています。
iPhoneやiPadさえあれば、契約も充電も不要*で、すぐに使え、安価。
※ボタン電池で動きます。
探し物探知としては非常に高性能です。
AirTagで見守るデメリット
AirTagは元々、人に付けるものではありません。
メーカー想定外の使い方なので批判ではありません。それでは解説します。
①現在地がわからない
AirTagの更新頻度は一定ではない上に、近くにApple端末がないと機能しません。
- 周りに登下校の小学生しかいない
- 人通りの少ない道
極端ですが、上記の場合は更新されずにそのままいなくなっても気付きません。
都会ならまだしも、田舎道を歩いて登下校していた筆者からすれば十分想定できるシーン。
子供がいつどこにいるのかが正確にわからないので、非常に不安です。
②経由地がわからない
AirTagは、位置情報が更新されるまでの間、どこを経由したかがわかりません。
下校ルートから外れても、AirTagではその異常に気付けません。
「小学校を離れました」「高架下を通りました」こういった経由地通知ができないので、下校の時間を親が思い出してスマホを見るのが面倒でした。
③確認できる端末は1台
AirTagはiCloudアカウントに紐づいているため、パパまたはママどちらかの端末でしか位置確認ができません。
パパママ職場が別なら、異常時にパートナーに連絡する手間があります。
元々は探し物タグなので仕方ありませんが、やはり見守り端末としては不便が目立ちます。
AirTagで見守るメリット
軽いので持ち歩きやすい
後述する見守り端末はどれを使っても、子供が身につけるには少し重たいです。
つまり持ち運びが億劫になりがちです。
AirTagは超小型タグなので、悩まず持ち出せます。
腕時計やキーホルダー型のアクセサリーと併用すると、小さいAirTagを無くしてしまう可能性をグッと抑え、緊急用として活用できます。
子供が手ぶらの場合は、ネックレス型や時計型だと紛失しにくいのでおすすめです。
傷がつきやすいので、気になる方は全面カバーを選びましょう。
周りがiPhone利用者ばかりのショッピング施設やディズニーランドでは居場所の特定が容易なので、緊急時には便利です。
宝探しに使える(子供の遊び)
近くにある時の場所探しモードの精度が高いので、宝探しのような遊びにも使えます。
本来の使い方ではありませんが、どのくらい精度が高いのか試すと面白いですよ。
月々の利用料金がない
AirTagは製品以外の利用料不要です。iPhoneさえあれば、いつでも位置を探知できます。
小学校高学年以降の緊急用であれば、安全とコストのバランスが良い便利なアイテムになり得ます。
AirTagより安心な見守り端末
我が家の場合は小学1年生になったばかり。
AirTagでは不安なので見守り端末を導入することにしました。
- 見守り端末って何?
- 本体を買って利用申込をすればすぐに使えるGPS機器です。
キャリアやSIM契約は不要です。
「あんしんウォッチャー」とは?
あんしんウォッチャーは3大キャリアKDDI(au)が提供する見守り端末です。
GPSだけでなくauの基地局や無線LANも組み合わせることで、GPSの電波が届きにくい地下や屋内でも居場所がわかります。
数ある見守り端末から選んだ理由
2022年2月の調査では、現利用者率・総合満足度は「GPS BoT」が1位という結果でした。
2023年5月現在は改良して名称変更され「Botトーク」となった、ボイスメッセージが送れる端末です。
広告でなんとなく見た方も多いと思います。
子供としても楽しいであろうボイスメッセージは非常に魅力的。
その代わり、月額748円(税込)と比較的高額です。
調査を見ると他の機種は満足度がイマイチ。
比較対象はBotトーク1択で良いでしょう。
総合満足度1位のBotトークを選ばず、あんしんウォッチャーを選んだ理由は以下の通りです。
- あんしんウォッチャーにした理由
- ・3大キャリアが提供している
・ボイス機能はいらない
・セコム駆けつけが無料
・維持費がワンコイン
実はあんしんウォッチャーがサービスを開始したのは、上記調査の後、2022年5月からなので後発商品です。
あんしんウォッチャーを選んだ理由を解説します。
3大キャリアが提供
Botトークを選ばなかった大きな理由は、位置精度が悪い・端末動作が不安という口コミがポロポロ見つかったことです。
もちろんどれを使っても環境や端末不具合によって不備は起こり得ますが、危険に直結する「見守り」には、正確性と安定性を重視したく、キャリア回線を使えるあんしんウォッチャーを選びました。
ボイス機能はいらない
ボイスメッセージ機能は、惹かれますし便利そうです。
ですが、実際の使用シーンを思い浮かべると使わないのです。
妻は小学校教師ですが、首だろうが、ランドセルだろうが、見守り端末をぶら下げている子供はいないそうです。
ランドセルの内ポケットに入りっぱなしなのが実態です。
ランドセルに入りっぱなしでは、親からボイスメッセージを送っても子供は気付きません。
普段首からぶら下げていれば便利ですが、登下校メインの用途では通知ボタンだけあれば十分と判断しました。
見守る大人も9人までなので、よほどのことがない限り見落とすことはないでしょう。
セコム駆けつけサービスが無料
セコムの対処員を呼び出せるサービスが加入料金なしで付いてきます。
見守り端末で異常な位置にいたり、自宅なのに通知ボタンが押されていたり。
そんなことがあっても遠い職場にいると対応できません。
異常事態に対処できないという弱点をカバーできるのはあんしんウォッチャーだけです。
お金がかかるのは実際に駆けつけサービスを使った時だけ(5,500円/回・30分)。
頻繁に使うサービスではないので追加料金なしは本当にありがたいですね。
価格が安い
料金プランは後述しますが、1年間の無料のキャンペーン中があります。
端末代金はかかりますが、1年間試せて、以降ワンコインなら安いと思いました。
さらに、あんしんウォッチャーだけは兄妹の2台目利用時に月額費用追加なしというメリットがあります。
利用しやすい料金設定が評価され、「全国子ども会連合会」「日本PTA全国協議会」の推奨商品に認定されています。
我が家は小学校低学年が兄妹で重なるので、子供二人を想定すると破格。2台目の購入なら本体代もAirTagレベルです。導入の決め手となりました。
あんしんウォッチャーのGPS精度
実際に使用したレビューです。
AirTagや別の見守り端末ottaと比較してみました。
AirTagや見守り端末ottaとの比較
精度の順で結果を先に言うと、
- あんしんウォッチャー
スマホの現在地には劣るが、正確で早い。 - AirTag
Apple端末があれば正確だが更新が遅い。 - otta.a
スポット以外更新されず、遅い。
※上位互換のotta.gなら良いかもしれません。
子供(ランドセル)が動かない間は、どれを使っても正確です。あんしんウォッチャーももちろん正確に場所を示します。
AirTagは更新頻度にムラがあるので、移動を始めると途端にズレが生じます。
ちなみにotta.aは登録スポットを通過した時のみ更新するので、画像を撮る意味もないほどズレます。
帰り道にスポットがありますが、通過したのに通知が来ないことも数回ありました。
使用したのはotta.aなので、正確性に欠けるのは仕方ありません。
登下校ではほぼリアルタイムに即位するあんしんウォッチャーですが、遅延することもありました。
画像の場所は、スマホでも電波が弱いゾーンです(IIJmioや楽天モバイル)。
電波の弱い場所では、精度に欠けます。キャリア通信でこのズレなので、過去の見守り端末で「位置がズレる」という声が多かったのも納得です。
足取り範囲の柔軟性
時間を忘れていても、スマホに通知が届くので子供の足取りがわかります。AirTagにない大きなメリット。
あんしんウォッチャーの通知スポットは、場所も範囲も細かく設定できます。
校舎と帰り道で範囲設定して一緒に歩いてみましたが、驚くほど精度高く通知されます。
あんしんウォッチャーの料金プラン
au HOMEは基本プランの名称
あんしんウォッチャーのHPには、いきなり「au HOME」という単語が出てきます。
ホームルーターや光回線の契約が必要なのかと勘違いしますが、不要です。
au HOMEは、「auが提供するスマートホーム家電」を使うための基本プランのことです。
このスマートホーム家電の一つが「あんしんウォッチャー」です。
» (参考)au HOMEを徹底解説!auひかりとセットでおうちを安全に!
つまり、
- あんしんウォッチャーの月額料539円は、au HOMEの基本料
- あんしんウォッチャーを使う=au HOMEに申し込むということ
あんしんウォッチャーの契約+au HOMEの契約で二重に料金がかかるわけではありません。
あんしんウォッチャーとあんしんウォッチャーLEの違い
結論から言うと、単なるプラン名の違いで、商品の機能や仕様に違いはありません。
本社への問い合わせで確認しました。
購入方法が2パターンあるだけです。
プラン | 機種代 | 利用料金/月(税込) | 1年使った場合の総額(税込) |
---|---|---|---|
①年間プラン あんしんウォッチャー | 9,900円 | 12ヶ月無料 | 9,900円 |
②月間プラン あんしんウォッチャーLE | 3,975円 ※30%割引込 | 初月無料 2ヶ月目以降539円 | 9,904円 |
1年経ったら、どちらも月額539円(税込)がかかります。
- 兄弟で2台目を使う場合、あんしんウォッチャーLE×2台でもいいの?
- 問題ありません。2台使う場合の組み合わせは①+②または②+②になります。
過去どのキャンペーンでも、ほとんどプランに差額はないので、初期費用か総額どちらを抑えたいかだけで判断して問題ありません。
私は数年単位で使うだろうと思って年間プランにしました。
AirTagは子供の見守りに使える?まとめ
- 現在地の更新が不定期なAirTagは見守りには不便で不安
- 足取りやスポット通知がある見守り端末がおすすめ
- 後発のあんしんウォッチャーは精度も価格も◎
AirTagで十分かと思っていましたが甘かった。
子供の見守りには専用端末を使いましょう。防塵防水・長時間バッテリーも、当然のように搭載しています。
時間を見ていなくても、「〜が小学校を出ました」「〜を通過しました」と教えてくれるので、安心して仕事や家事に集中できます。
緊急時にはセコムの駆けつけも可能と、“子供の所在がわからない時の嫌な動悸”の対策としてあまりにも安いです。
ニュースで見る嫌な事件は他人事ではありません。AirTagでは不足、子供の安全は必要経費と判断しました。
子供の自立を尊重しつつ、そっと見守りたいパパママはお試しください。